瞼裂斑(けんれつはん)の手術治療、薬物治療

瞼裂斑になってらっしゃる患者さんは、目が頻繁に赤くなるし、目薬をつけてもそのときだけしか赤みが取れないので、非常に悩んでらっしゃることが多々あります。そういう患者さんを積極的に治療しています。

横浜相鉄ビル眼科医院トップページへ


●瞼裂斑とは・・・

白目は一番下が強膜、その上がテノン嚢、その上が結膜、と言う3層構造になっています。紫外線やコンタクトレンズによる刺激などの影響で、通常鼻側(時に耳側もあり)の結膜が分厚くなった状態が瞼裂斑です。通常はその部分がまわりに比べて黄色く見えます。この瞼裂斑はまぶたでこすれたりして炎症を起こして(瞼裂斑炎)頻繁に赤くなるので、患者さんは深く悩んでらっしゃる場合があります。このページをご覧くださっているのはそういう方でないでしょうか。

手術を体験した患者さんの写真とメールはhttp://www.aikeikai.jp/pinguphoto.htmlをご覧下さい。

瞼裂斑と呼ばれるものには2種類あって、小さな翼状片、すなわち、放置しておくと大きくなって角膜(黒目)に入ってきて、翼状片というものに進行するものと、放置しておいても角膜に入ってこない、狭義の瞼裂斑です。

●瞼裂斑の治療は?

瞼裂斑炎で頻繁に赤くなる、目薬をつけてもそのときしか赤みがとれない、人からよく指摘されて困る、ごろごろする、しみる、目が疲れる、というのは患者さんにとっては非常に深刻な問題です。その割に、眼科業界では非常に軽く扱われており、眼科に行っても相手にされず悲しい思いをした、という声が多いです。ほんとうにかわいそうだと思います。私は、瞼裂斑の患者さんを数多く診ておりますので、投薬だけでコントロールするテクニックにもたけているつもりです。これでうまくいけば一番いいのですが、コントロールしきれない場合は、患者さんの希望があれば積極的に手術をしています。

瞼裂斑の手術は切り取ってまわりの結膜を引っ張ってきて縫合するだけで終わりです、と言いたいところですが、それではきれいになりません。手術は、瞼裂斑を切り取って、その部分にきれいな結膜を同じ目の他の部分から持ってきて、植え込みます。このほうがきれいになります(自己結膜移植)。自己結膜移植は多大なテクニックを要しますが、これをびしっとやるのが私のノウハウです。瞼裂斑は軽く見ると絶対にきれいに手術できません。

以下の写真は翼状片のページに出しているものと同じです。翼状片と瞼裂斑の中間の状態なので、瞼裂斑としてみると強いほうになると思います。上が術前、真ん中が術後1ヶ月、下が術後3ヶ月です。徐々に治っていく様子がおわかりいただけると思います。特別にうまくいった症例ではなく、ごく普通の症例を出しました。特別うまくいく場合は、術後1ヶ月で下の3ヶ月の写真ぐらいになります。手術は同じようにやっているので、治り方のスピードははもう運の問題ですね。

●瞼裂斑 よくある質問


Q 私が住んでいるのが北海道なため、定期的な受診が難しいのですが、その場合でも手術は可能なのでしょうか?

可能です。術後は地元で診てもらえるように詳しく書いた紹介状をお渡ししています。

Q 私は近視で現在コンタクトレンズを使用しているのですが、術後どれくらいコンタクトレンズの使用を控えなければならないでしょうか?

3ヶ月です。それより早く装着したいと希望される方がたくさんいらっしゃいます。コンタクトは瞼裂斑の原因の一つですので、早くつければ綺麗に治るのは不可能と考えます。3ヶ月の我慢が不可能な人は最初から手術を受けないことをお勧めします。

Q 瞼裂班の手術を受けた場合、将来的にLASIK手術を受けることは可能なのでしょうか?

A 瞼裂斑術後3ヶ月以降にLASIK可能です。

Q 費用はいくらぐらいかかりますか?

A 手術費用は3割負担で、その当日の検査や処置、お薬などをすべて含めて3万円を見ておいてください。

Q 手術時間はどれぐらいかかりますか?

A 標準的には10分から20分です。

Q 手術はどのように麻酔をするのですか?痛くないですか?

A 点眼で麻酔をします。最初しみるのですが、そのうちしみなくなってきます。手術中は痛みは全くありませんが、人によっては少しちくちく感じることがありますので、その時はお伝え下さい。麻酔を追加します。

Q 術後は痛くないですか?

A 通常は大丈夫ですが、人によっては多少痛みが出ます。そういう場合は処方する痛み止めを飲んでください。また、枕に目を軽く押し付けるようにすると痛みが軽減します。術後に軽い睡眠薬を処方していますので、それを飲んで寝てしまうというのが非常に有効です。

Q 術後の注意点、眼帯はいつまでするかを教えてください。

A 手術の日は眼帯をつけたまま寝ます。次の日、受診したときに眼帯をはずし、その後は眼帯をする必要はありません。術後は1週間、感染を防止するために、目に水が入らないように気をつけてください。顔は、可能なら拭くだけのほうがいいです。頭を洗うときは仰向けで、美容院や散髪屋さんで洗ってもらうのがベストです。炎症が強くならないよう、お酒は控えめにしてください。1週間を過ぎたら完全に普通の生活で大丈夫です。目薬は重要なので、ちゃんとつけてくださいね。お仕事は翌日から大丈夫です。

Q 術後はどれぐらい通院が必要ですか?

A 次の日に見ます。その後、最初の1ヶ月は週に1回ぐらい見て、その次の1ヶ月は2週間に1回、その後は月に1回、術後6ヶ月までみます。これが理想的ですが、忙しい方や遠くの方で特に問題なければ定期健診を少なくすることもよくありますので、診察の時にご希望をお伝え下さい。

Q 眼帯はいつごろとれますか?

A 術後眼帯をして帰り、そのままにしておいて、翌日とって、点眼を開始します。その後は眼帯の必要はありません。目が赤くなるので、隠すために眼帯をしたければご自由にどうぞ、です。

Q 術後はどれぐらいで赤みがひきますか?

A 術後は一時的に術前よりも赤くなります。だいたい1ヶ月ぐらいでだいぶいい感じになってきたなぁ、ぐらいになり、3ヶ月たてば、やってよかった〜、となります。案外時間がかかるなぁ、とお考えになるでしょうが、翼状片がどれだけの時間をかけてできてきたか、を考えると、それを治すのに数ヶ月かかるのは仕方ないと考えていただければありがたいですね。

Q もし再発したらどうすればいいですか?

A 今まで1度も再発したことがないのですが、もしもし再発しても再手術できるように、取った部分の結膜がきれいに再生して、そこからまたとれるように手術しています。

Q 両眼の場合、手術は二度することになるのですか?

A はい。両眼を同時に手術すると両眼眼帯になりますので、歩けませ〜ん(笑)。それに、いかに瞼裂斑の手術が安全といえども、万が一なにかあるかもしれません(病院に来る途中で交通事故にあって死ぬ確率よりは低いと思いますが)。なので、片方をやって、大丈夫なことを確かめてからもう片方をやるのが我々プロの眼科医のやり方です。

Q片眼の両側に翼状片が2つできているのですが、1度に手術していただけますか?

A できます。

Q 遠くから受診して手術を受けたいのですが、大丈夫ですか?

A 横浜相鉄ビル眼科医院では、遠くの方のために、受診して即日手術、近くのホテルを手配して、次の日診察して帰る、というシステムを確立しています。ご希望の方はメール下さい。

術後、定期健診に来れるならそれに越したことはありません。そんなに頻繁にみなければいけないことはないので、遠くの方は時々遊びがてら診察にいらっしゃる方が多いですね。遠距離で来れない場合は地元で診て頂ける様、紹介状を書いています。

今まで、神奈川県内、東京都内、千葉県、埼玉県はもとより、北海道、青森県、秋田県、岩手県、宮城県、福島県、栃木県、群馬県、茨城県、石川県、静岡県、愛知県、長野県、石川県、福井県、岐阜県、京都府、奈良県、大阪府、和歌山県、三重県、滋賀県、兵庫県、岡山県、広島県、鳥取県、島根県、山口県、福岡県、佐賀県、大分県、長崎県、宮崎県、熊本県、鹿児島県、沖縄県、海外(ボリビア、オーストラリア、サイパン在住の日本人)などから患者さんに来ていただきました。日本では富山県以外すべてですね。

Q入院は必要ありますか?

A ありません。

Q手術のやりかたを、もっともっと細かく教えてください。

瞼裂斑を取り去って、その部分に他の部分からもってきたきれいな結膜を植え込みます。変な薬剤を使ったりはしませんから、安心してください。これ以上の詳細は企業秘密です。僕は人生のすべてを眼科手術にかけて生きていますから、わかってね(^^)


mail: otaka@isao.com (あなたの携帯、パソコンメール着信拒否になっていませんか?)

横浜相鉄ビル眼科医院トップページへ