先天性鼻涙管閉塞(せんてんせいびるいかんへいそく)の治療

~あかちゃん・こどものなみだ目・めやに~

横浜相鉄ビル眼科医院では、先天性鼻涙管閉塞の治療を行っています。お悩みの方は、どうぞご相談ください。

なお、この治療は、当院では、涙道治療、なみだ目の治療を特に専門としている松村望(まつむらのぞみ)医師(女医)だけがやっています。

松村望先生は子供さんの「先天性鼻涙管閉塞」の治療のスペシャリストであり、名医です。

まずは松村医師の外来を受診してください。松村医師の外来は予約制ですから、電話で予約をとってからいらしてください。

045-311-2752 横浜相鉄ビル眼科医院(午前9時から午後6時まで。電話中が多くてごめんなさい。午後のほうがつながりやすいです)

横浜相鉄ビル眼科医院のホームページへ  ここまで大高筆。ここから松村望医師筆


●先天性鼻涙管閉塞とはどんな病気ですか?

涙は目を潤した後、涙道・鼻涙管(びるいかん)という管を通って鼻に排出されます。
この管が生まれつきふさがっている状態を先天鼻涙管閉塞と呼びます。
ほとんどの場合、鼻涙管の一番下の出口にあたる部位がふさがっています。



●先天性鼻涙管閉塞の症状は?

生後間もなくから数か月以内に、涙とめやにが出るようになり、抗菌薬の目薬を使うと一時的によくなるけれど、やめるとまためやにが出る、といった症状を繰り返します。泣いていないのになみだがぽろっとこぼれる、朝めやにで目があかない、まぶたがただれる、などの症状が出ます。片眼だけの場合が約9割、両眼の場合が約1割と言われています。

●先天性鼻涙管閉塞の治療の時期は?

自然に治る(自然治癒)ことも多いので、生後5~6か月未満の赤ちゃんは、経過をみる場合が多いです。ただし、経過をみる場合、知っておくべきことがいくつかあります。
・症状が重い場合、早く治療をした方がよい場合があります
・体格が大きくなってから(めやすとして1歳以上)の治療は、押さえて局所麻酔で治療することが難しくなるので、全身麻酔(入院)が必要になります。
・マッサージを行う場合は、正しい方法、回数、力加減などを直接ご指導いたします。マッサージは正しく行っても、効果に限度があります。
自然になおる可能性は、月齢が高くなるごとに下がっていくことがわかっています。待っていればいつかは必ずなおるとは限りません。どのタイミングで治療をすべきかは、症状の重さやご家族のご希望にもより、一概には決められませんので、ご相談ください。

●先天性鼻涙管閉塞の治療の方法は?

①ブジーについて

先天鼻涙管閉塞の一般的な治療は、先天鼻涙管閉塞開放術です。
ブジーと呼ばれる涙道専用の針金を使うことが多いです。(プロービングとも呼ばれます)
麻酔は点眼麻酔です。涙点と呼ばれる目頭の小さな穴から、ブジーなどの専用の器具を挿入し、涙道内を洗浄してから詰まっている箇所を広げます。手術は日帰りで行います。
先天鼻涙管閉塞開放術をご希望の方は、ご相談にお越しください。

②そのほかの治療について

体格の大きなお子さまなどは、催眠鎮静下で(眠らせて)の治療をおすすめする場合があります。先天鼻涙管閉塞以外の涙道閉塞の方、再手術の方、1歳以上の方などは、全身麻酔下で涙道内視鏡を使用した治療(涙管チューブ挿入)をおすすめする場合があります。催眠鎮静もしくは全身麻酔で手術をする場合は、神奈川県立こども医療センターの涙道外来をご紹介させていただき、手術を担当いたします。

先天鼻涙管閉塞を中心に、お子様の涙道閉塞の治療をこれまで1000例以上担当し、毎年100人を超す小児の涙道疾患の治療を、特に専門として行っております。お子さまの病状とご家族のご希望に応じたさまざまな治療方法に対応可能です。こどものなみだ目、めやにの症状でお悩みの方がいらっしゃいましたら、どうぞご予約のうえ、ご相談にいらしてください。


主に、患者さんをご紹介下さる先生方へ(ここからまた大高筆)

平成29年から、縁あって、松村先生に当院に診察に来てもらえることになりました。

松村先生は本当に素晴らしいドクターです。自分は涙道の名医だと思っていますし、多くのドクターがそう思ってらっしゃるようです(もちろん他にも涙道の名医がいらっしゃる前提ですが)。高い技術を持ち、しかも、ほんとうに熱心に仕事をされていますし、患者さんへの対応も素晴らしいです。

患者さんをご紹介いただける際、難しい手配は一切必要ありません。患者さんに紹介状を渡し(内容は「流涙」や「涙嚢炎」の2、3文字だけとかで大丈夫です。もちろん紹介状なしで、口頭で行くよう伝えていただくだけでも大丈夫です)、「あとは自分で045-311-2752横浜相鉄ビル眼科医院に電話して松村先生の予約を取ってね」とお伝えください。

以下、松村先生の業績集です。参考になさっていただければ幸いです。by大高功院長

松村望医師 業績一覧

●著書

・涙道内視鏡入門
松村 望 著.(分担執筆および編集) 後藤 聡,鶴丸 修士,松村 望 編集
井上 康,鈴木 亨,佐々木 次壽 監修
メジカルビュー社 2016年

・赤ちゃんのなみだ目は自然に治る? 「眼科開業医のための診療・連携ポイント30」
松村 望 著.(分担執筆) 松元 俊,吉川 啓司 編. 診断と治療社 2015年

・第18章 涙器疾患 「小児眼科学」 
松村 望, 新田安紀芳 著,(分担執筆) 東 範行 編. 三輪書店 2015


●学会発表・シンポジウム

・DR-1αで診る涙道閉塞症のオキュラーサーフェス (シンポジウム講師)
シンポジウムテーマ 「涙道治療の未来展望」
松村 望. 第6回涙道・涙液学会総会 大阪 2017

・先天鼻涙管閉塞における涙液中IL-6濃度と罹病期間の関連
松村 望 他. 第6回涙道・涙液学会総会 大阪 2017

・中隔視神経異形成症11例における臨床所見の検討
脇屋 匡樹,松村 望 他. 第73回 日本弱視斜視学会総会 金沢 2017

・乳児眼瞼・眼窩血管腫の新旧2例ずつの治療経過
松村 望 他. 第5回眼形成外科学会総会 小倉 2017

・小児涙道閉塞症に対する涙管チューブ挿入法の検討
松村 望 他. 第40回 日本眼科手術学会総会 福岡 2017
  
・先天奇形症候群に伴う涙器疾患の検討
松村 望 他. 第70回 日本臨床眼科学会総会 京都 2016

・DR-1αによる原発性後天性涙道閉塞の涙液観察
松村 望 他. 第5回 日本涙道・涙液学会総会 東京 2016

・心因性視覚障害として紹介された患者の転帰
大野 智子,松村 望 他.第72回 日本弱視斜視学会総会 横浜 2016

・小児涙道疾患の診断 (シンポジウム講師)
―涙点・涙小管閉塞,先天涙嚢瘻,先天涙嚢ヘルニア,後天涙道閉塞―
シンポジウムテーマ 「先天鼻涙管閉塞に対するプロービング時期の議論を超えて」
松村 望. 第39回 日本眼科手術学会総会 福岡 2016 

・先天鼻涙管閉塞患児の弱視リスクに関する検討
松村 望 他. 第69回 臨床眼科学会総会 名古屋 2015

・涙道内視鏡を用いて鼻涙管解放術を行った先天性涙道形成不全の2例
松村 望 他. 第4回 日本涙道・涙液学会総会 大阪 2015

・神奈川県立こども医療センターにおける未熟児網膜症45年間の推移
浅野 みづ季,松村 望 他. 第39回 日本小児眼科学会総会 神戸 2015

・Silicone tube intubation assisted by dacryoendoscopy for treating congenital
nasolacrimal duct obstruction in children aged one year and older
Nozomi Matsumura et al. AAPOS-JAPO-JASA Joint Meeting Kyoto 2014

・小児流行性角結膜炎後の涙道閉塞に対する涙道内視鏡を用いた診断と治療経験
松村 望 他.第3回 日本涙道・涙液学会総会 東京 2014

・ダウン症候群17例に対する涙道疾患の診断と治療経験
松村 望 他. 第37回 日本眼科手術学会総会 京都 2014

・症候群性頭蓋縫合早期癒合症に対する顔面形成手術前後における水平斜視の変化
松村 望 他. 第67回 臨床眼科学会総会 横浜 2013

・ 小児涙道疾患における鼻性鼻涙管狭窄の特徴
松村 望 他. 第2回 日本涙道・涙液学会総会 大阪 2013

・症候群性頭蓋縫合早期癒合症における外斜視およびV型斜視の原因
松村 望 他. 第69回 日本弱視斜視学会総会 広島 2013
 
・先天性鼻涙管閉塞症に対する色素残留試験の感度
松村 望 他. 第66回 臨床眼科学会総会 京都 2012

・先天性涙点閉鎖60例の検討
松村 望 他. 第1回 日本涙液・涙道学会総会 横浜 2012

・Duane症候群57例の検討
石戸岳仁,松村 望 他. 第68回 日本弱視斜視学会総会 名古屋 2012

・ヤング・シンプソン症候群における眼所見
松村 望 他. 第37回 日本小児眼科学会総会 名古屋 2012

・神経線維腫症Ⅰ型における眼合併症と頻度
石戸岳仁,松村 望 他. 第65回 臨床眼科学会総会 東京 2011

・先天性鼻涙管閉塞症に対するブジー治療法の検討
松村 望 他. 第65回 臨床眼科学会総会 東京 2011

・視野の自然寛解をみた網膜動脈分枝閉塞症の1例
松村 望 他. 第25回 日本小児眼科学会総会 鹿児島 2000

・眼内液よりPCR法にて単純ヘルペスウイルス2型を検出した急性網膜壊死の1例
松村 望 他. 第54回 臨床眼科学会総会 京都 1998


●講演会・セミナー

・「小児涙道疾患アップデート 2017」
2017年8月 岡山 岡山県眼科医会 眼科アップデートセミナー2017

・「小児の涙道内視鏡手術 ~確実な手術のコツ~」
2017年7月 大阪 フォーサム2017 第6回日本涙道・涙液学会総会
ランチョンセミナー 

・「小児涙道疾患の診断と治療 ~乳児眼科診察のコツ~」
2017年4月 君津 第5回 千葉県眼科医会 病院見学会・講演会 特別講演

・「オキュラーサーフェスと涙道 -涙の動きと眼関連粘膜免疫-」
2017年1月 横須賀 横須賀市眼科医会 新年学術講演会 特別講演

・「小児眼科の病診連携と最新の話題」
2016年11月 鎌倉 鎌倉市眼科医会学術講演会 特別講演

・「小児涙道疾患の診断と治療 ~乳児眼科診察のコツ~」
  2016年10月 東京 東邦大学 大森学術研究会 特別講演

・「小児涙道疾患に関する最新の話題」
2016年7月 福岡 福岡大学病院 眼科カンファレンス

・「眼表面に答えが見える!涙道閉塞症」
2016年7月 東京 フォーサム2016 第5回日本涙道・涙液学会総会
イブニングセミナー 

・「涙管チューブ挿入術 -涙道内視鏡を使用するDSI-」
2016年7月 東京 フォーサム2016 第5回日本涙道・涙液学会総会
ランチョンセミナー 

・「明日から活かせる小児眼科の基礎知識」
2016年6月 横浜 第1回横浜・横須賀クリニカルワークショップ 特別講演

・「涙道内視鏡による涙道疾患の診断と治療 ~成人と小児~」
2016年3月 横浜 第10回 西区眼科医診療連携の会

・「小児の眼 -診療のポイント・紹介の時期・最新の話題―」  
2015年2月 横浜 神奈川県保険医協会

・「小児涙道疾患に関する最新の話題」  
2015年1月 広島 第274回 広島眼科症例検討会

・「先天性鼻涙管閉塞症の治療を考える」
2014年9月 東京 杏林大学アイセンター オープンカンファレンス

・「涙道内視鏡所見から考える涙道疾患の診断と治療 -成人と小児-」
2014年9月 第1回 逗子 なぎさの眼科女医会

・「涙道内視鏡所見から考える涙道疾患の診断と治療」 
2014年9月 横浜 第4回 レディースアイフォーラム


●論文

・Cytokine profiles of tear fluid from patients with pediatric lacrimal duct obstruction.
 Nozomi Matsumura et al.
 Investigative Ophthalmology & Visual Science. Vol.58, Page, 252-256, 2017.

・神奈川県立こども医療センターに心因性視覚障害として紹介された患者の転帰
大野智子, 松村 望 他.眼科臨床紀要 第10巻 2017

・High-resolution dacryoendoscopy for observation for pediatric lacrimal duct obstruction.
Nozomi Matsumura et al.
American Journal of Ophthalmology Case Reports, Vol. 1, p23–25 2016

・小児涙道疾患の外科的治療 特集 涙道疾患の外科的治療 2015
松村 望. あたらしい眼科 Vol.32 2015

・小児涙道疾患における鼻性鼻涙管狭窄の特徴
松村 望 他. あたらしい眼科 Vol.31 2014

・眼瞼下垂 特集クローズアップ“目・耳・鼻・口の診かたと初期対応”
松村 望 他. 小児内科 45巻 2013

・流涙症Q&A  基礎編 涙道の発生について教えてください
松村 望. あたらしい眼科 Vol.30 臨時増刊 2013

・流涙症Q&A 臨床編 涙道の先天異常
小児の流涙症を診るときに鑑別すべき疾患について教えてください
松村 望. あたらしい眼科 vol.30 臨時増刊 2013

・先天性鼻涙管閉塞症に対する色素残留試験の感度
松村 望 他.臨床眼科 第67巻 2013

・神経線維腫症Ⅰ型における眼合併症と頻度
石戸岳仁,松村 望,他.臨床眼科 第66巻 2012

・先天性鼻涙管閉塞症に対するブジー治療法の検討
松村 望 他. 臨床眼科 第66巻 2012

・視野の自然寛解をみた網膜動脈分枝閉塞症の1例
松村 望 他. 眼科臨床医報 第95巻 2001

・治療経過中に網膜剥離を合併したvon Hippel-Lindau病の1例
大庭静子、松村 望、伊藤大藏. 眼科臨床医報 第94巻 2000

・High prevalence of herpes simplex virus type 2 in acute retinal necrosis syndrome associated with herpes simplex virus in Japan.
Norihiko Itoh, Nozomi Matsumura et al.
American Journal of Ophthalmology, Vol. 129, Issue 3, p404–405,2000


mail: otaka@isao.com

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