小児眼科、子供の斜視・弱視・屈折異常(しょうにがんか、こどものしゃし、じゃくし、くっせついじょう)

このページは、松村望(まつむらのぞみ)医師(女医)が、子供さんの目のことで困っているお母さんやお父さんたちのために書いてくれました。

松村先生は、親御さんの気持ちに寄り添ってくれる、ほんとうに優しい先生です。

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★小児の斜視について

●斜視の症状

こどもの斜視に気が付くきっかけはいくつかあります。
・赤ちゃんの目がよっている気がする
・健診で斜視を疑われた
・ぼーっとしている時に視線が合わない
・写真を撮ると目の位置のずれが気になる
・まぶしがってよく片眼をつぶる
・斜めから見ようとする
・横を向くと目が隠れてしまう
などです。このような症状がある場合、斜視などの目の異常がみられる場合があります。
以下に代表的な斜視について簡単に説明します。

●間歇性外斜視(かんけつせいがいしゃし)

両目がまっすぐ向いている時と、どちらかの目が外れている時が両方みられる状態です。日本人の場合、一番多くみられる斜視です。眠いとき、ぼーっとしているとき、泣いたあと、体調が悪い時、などに外れやすくなります。間歇性外斜視が疑われる場合、まず視力や眼球に異常がないかを確認します。必要があれば、眼鏡の装用をおすすめすることもあります。外れ方の角度が大きい場合や、頻繁に外れる場合は、手術による治療をおすすめする場合があります。手術を行う時期に関しては世界中でさまざまな意見があり、また、斜視の程度にも個人差があるため、ベストのタイミングを一概には決められません。多くの場合、就学前頃に手術を行うかどうかを、まず一度判断しています。しばらく様子をみてから、外れが目立って気になってきた段階で手術を行う場合も多いです。小児の斜視の手術には、全身麻酔が必要です。

●内斜視(ないしゃし)

より目になっている状態です。生後6か月以内に内斜視になった場合は、手術が必要な場合も多いので、早めに専門の病院を受診されることをおすすめします。
もう少し後(1歳前後以降)から内斜視がではじめた場合や、集中してものを見るときだけより目になる、といった場合は、遠視が原因の調節性内斜視(ちょうせつせいないしゃし)の場合が多くみられます。調節性内斜視の治療は、適切な度数の眼鏡をかけることが一番大切です。しかし、眼鏡だけでは完全には目がまっすぐ向かない、弱視がある、といった場合、追加の治療(弱視治療、トレーニング、プリズム、手術など)が必要になることも少なくありません。内斜視の治療は早期発見・早期治療・治療の継続が特に重要です。小さいお子様は検査や診断が難しく、1回の検査だけでは確定できないこともしばしばありますので、早めの受診をおすすめします。

●偽内斜視(ぎないしゃし)

目の位置はまっすぐにそろっているのですが、目頭の皮膚が内側の白目にかぶさって見えるため、「より目のように見える顔」のことです。日本人の赤ちゃんにはよく見られます。偽内斜視であれば治療は必要ありませんが、内斜視との区別が難しいことがあります。「時々目がよっている」ようなお子様の場合、診察をしたタイミングでは目がよっていないけれど、他の時によっている可能性があるからです。偽内斜視かどうかはっきりしない場合、心配な場合は、受診いただくことをおすすめします。

このほかにも上下斜視、下斜筋過動など、さまざまな斜視があります。全身麻酔による手術が必要となった場合、神奈川県立こども医療センター(手術を担当しております)を中心に、手術が可能な施設をご紹介させて頂きます。小児の斜視に関してお悩みの方は、ご予約の上、ご相談にいらしてください。


★小児の屈折異常(近視、遠視、弱視(じゃくし)、不同視(ふどうし))について

●屈折異常の症状

「こどもの視力が悪いのではないか」と気が付くきっかけはいろいろありますが、片目だけ視力が悪い場合は症状がほとんどなく、気付かれないことも多いです。
・テレビに近づきたがる
・健診で視力が悪いことを指摘された
・どちらかの目をかくした時だけいやがる
・斜めからものを見ようとする
・目を細めて見ている
などです。以下に代表的な疾患について簡単に説明します。

●近視

近くは見やすいけれど、遠くは見えにくい状態です。日本人には多くみられる屈折異常です。眼球の長径(眼軸長)が長くなると度が進みますので、成長期に進行がみられます。近視の進行には、遺伝と環境の両方の要素が関わっていると考えられています。遺伝的な要素とは、持って生まれた体質のことです。環境については、目の使い方や生活上の注意などで、進行を少しでも遅らせる工夫が考えられています。現時点(2017年)の日本国内で、小児の近視の進行を防ぐことに関して、安全性と有効性(臨床における科学的証拠、エビデンス)が充分確立され、かつ認可された治療方法(点眼薬や訓練など)はありません。生活上の注意点をお伝えし、必要に応じて適切な度数の眼鏡処方箋を発行いたします。お子様の目の状態によっては点眼薬を使用する場合や、ご希望に応じて近視の進行抑制を考えた眼鏡レンズを処方する場合などがございますので、ご相談にお越しください。

●遠視

近くも遠くもどちらもピントが合いづらい状態です。眼球の長径(眼軸長)が短いと遠視になります。ピントが合わない状態でものを見ているため、視力が育ちにくく、弱視(年齢相当に視力が発達していない状態)になることがあります。ピントを合わせるために目に強く力を入れることで内斜視(調節性内斜視)になる場合があります。遠視の度合いや視力によって、眼鏡による治療が必要になります。こどもの遠視を正確に検査で調べるためには、散瞳(さんどう:瞳をひらくこと)の目薬を使用する必要があります。

●弱視

視力が年齢相当に発達していない状態です。こどもの視力は生まれつき1.0などと良く見えているわけではなく、生まれてから3~4歳ころまでに急速に成長するものと考えられています。遠視などが原因でピントの合わない状態のままであったり、何らかの目の病気があってよく見えない状態であったりすると、視力の成長がさまたげられて、弱視になります。視力の成長は3~4歳を過ぎるとゆるやかになりますが、8歳ころまで続くと考えられています。このため、弱視は早期発見・早期治療が重要です。治療には眼鏡やトレーニングが必要な場合が多く、ご家庭と協力して治療をすすめていきます。

●不同視

右目と左目の屈折の度数が違う状態です。どちらか一方の目を使わなくなり、弱視になっている場合が多くみられます。治療が必要な場合、適切な度数の眼鏡を装用することがまず大切です。その上で、アイパッチなどの片目を隠すトレーニング(必要な時間や期間などに個人差があります)を必要に応じて行います。眼鏡の度数やアイパッチのやり方など、治療のコツはいろいろありますので、まずはご相談にお越しください。

最近、スポットビジョンスクリーナーという、子供の目の度数や目の向きを自動で測定できる機械が普及しています。健診や小児科などで検査をした結果、「精密検査が必要」と言われたものの、どこで精密検査を受けたらよいかわからない、というお問い合わせが増えました。このような場合、専門の医師による斜視の診察や、散瞳してからの屈折検査などが必要となります。また、間歇性斜視(ときどき目の位置がずれている状態)などは、機械による自動判定では見落とされることがあります。視力検査など、眼科の検査に協力することが難しいこどもの目は、専門の医師による診察を受けることがベストです。視力検査ができるようになるまで待たなくても、屈折異常や斜視や目の病気を見つけることは可能です。お子様の目に関してご心配がありましたら、ご予約の上、受診してください。


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