横浜相鉄ビル眼科医院 日帰り硝子体手術(しょうしたいしゅじゅつ)を施行しています
横浜相鉄ビル眼科医院では、日帰り硝子体手術を施行しています。(日帰り手術は、デイサージェリーとも呼ばれています)。
硝子体切除術、硝子体吸引術、硝子体茎顕微鏡下離断術、増殖性硝子体網膜症手術、硝子体切除術による網膜復位術、ビトレクトミー、黄斑下手術などの手術をまとめて「硝子体手術」、と呼んでいます。
硝子体手術は眼科領域では最も難易度の高い手術で、患者さんの目への負担も大きいため、従来入院しての治療が中心でしたが、患者さんの目に優しい25ゲージシステム、さらにそれを独自に改良した鄭先生のシステムにより、日帰りでの手術を可能にしました。
具体的には、黄斑前膜、黄斑上膜、網膜前膜、網膜上膜、黄斑円孔、硝子体出血、眼底出血、糖尿病網膜症、網膜剥離、強度の硝子体混濁(飛蚊症)などが対象となります。
しかし、入院手術が適当と判断した場合は、信頼できる東京医療センターの秋山先生に紹介しております。
鄭先生も秋山先生も網膜硝子体手術のスペシャリストです。当院は、患者さんの病状、希望にあわせて、あらゆる網膜硝子体疾患の治療にいろんな形で対応できる病院であると自負しております。
日帰り硝子体手術のメリットは
●仕事や介護などがある方は休む期間を短くできること。
●総費用を安く抑えることができること(標準的な手術の場合、日帰りならば3割負担で10万円から20万円となります。仮に1週間入院すると、総費用は倍ぐらいになると考えられます)。
●社会的地位のある方ですと、入院するということでまわりに与える健康不安によるイメージ低下を回避できること。
です。
もちろん、状況が許すならば入院で手術を受けるに越したことはありませんので、患者さんに日帰り手術を無理にお勧めすることはしませんが、状況が許さないために手術を受けられず、手遅れになっていた患者さんを当院の手術で救ってあげることができれば、との願いを込めています。
また、入院しないことにより、医療費を安く抑えられますので、患者さんの懐にとっても、増え続ける国民医療費にとっても良く、社会貢献でもあると考えております。
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以下、当院における日帰り硝子体手術のチーフサージャンである鄭先生が開発した手術方法に関する解説です。鄭先生はこの最新のシステムをプロに教えている、先生の先生です。ゆえに文章もプロ向けのやや難しい内容ですが、ネットを調べてらっしゃる患者さんはintelligenceの高い方が多いので、敬意を込めて、あえてそのまま掲載いたしました。
なお、このページ全体、半角数字、全角数字が混在していることをお許しください。日本語表記では全角が見やすいと思うのですが、英語表記部はどうしても半角でないとバランスが悪いし、ドクターや患者さんからいただいた文章で構成していますので、直しきれていないところもあって・・・(^^ゞ byおおたか
[ 25ゲージ硝子体手術システムとは ]
創口を可能な限り小さくする低侵襲手術は全科的な取り組みであり、眼科では小切開無縫合白内障手術が既に定着しています。網膜剥離、増殖糖尿病網膜症などの重症網膜硝子体疾患の治療法として確立された硝子体手術においても1990年にアメリカで小切開無縫合硝子体手術のプロトタイプが作製されました。
従来の3ポート硝子体手術では、結膜を約半周〜全周(18mm〜36mm)切開した後、20ゲージ(1mm強)の強膜創を3ケ所作成して、器具の出し入れを行います。手術終了前には、眼圧を保つために強膜創をしっかり縫合し、結膜を整復するために結膜縫合を行います。
2002年に発表された25ゲージ経結膜的硝子体手術の臨床報告では、開始時に25ゲージ(内径0.5mm、外径0.63mm)サイズのトロッカーを、結膜切開をせずに結膜上から直接挿入し、終了時には抜去するだけで終了できる無縫合硝子体手術が可能であるとされました。従来の硝子体手術システムと比較し、手術時間の短縮化、術後の患者不快感・乱視の軽減、炎症が少ないための術後回復期間の短縮化、などが達成されました。
[ 私のチームが独自に開発したシステムと、その良いところ ]
2002年秋には日本でもトロッカー方式のTSV25(ボシュロム社)が導入されました。その後、器具の改良に伴う適応疾患の拡大に伴い、全国で施行例が大幅に増加しています。しかし、トロッカー方式も完全なものとはなっておらず、その問題点を改善するべく、2003年より私のチームはニデック社と共同で、トロッカーは用いず、特殊シリコンリングで結膜を圧迫し結膜移動を防止することによって25ゲージ経結膜的硝子体手術を行う新システムJ25VS(Just
25-gauge vitrectomy system)を開発しました。
この新方式はトロッカー方式と比較し、より小さな創口を通しての手術施行が可能であり、結果的に無縫合率が高くなります。また、器具の可動域や操作性も高く、増殖糖尿病網膜症や増殖硝子体網膜症などの重篤な網膜硝子体疾患の治療に応用することにより、適応疾患の拡大が可能になることが期待されています。
目に優しい手術方法の開発と進化、最新の器械や器具の導入、また、経験の積み重ねにより、より安全性の高い網膜硝子体手術が施行することができ、日帰り手術を可能としております。
以下は、横浜相鉄ビル眼科医院における日帰り網膜硝子体手術におけるよくある質問です。日帰りにかかわらず、硝子体手術全般に関する質問も含まれます。
よくある質問:一般的な事
Q 貴医院では目の奥の病気を短い期間で治療していただくことは可能でしょうか?
A 横浜相鉄ビル眼科医院では、日帰りで硝子体手術を行っております。通院予定は、手術翌日、翌々日、術後1週間目、それから徐々に間隔を開けて経過観察することになります。
Q 入院と日帰りで手術内容に違いはありますか?
A ありません。
Q どんな網膜の病気で日帰り手術が可能なのでしょうか?
A 黄斑(網膜)上膜、黄斑円孔、網膜剥離、糖尿病網膜症、糖尿病黄斑症、硝子体出血、網膜静脈分枝閉塞症、網膜中心静脈閉塞症、硝子体混濁、加齢黄斑変性、黄斑下血腫、増殖硝子体網膜症などの網膜硝子体疾患に対して、硝子体手術(網膜バックリング手術を含む)を日帰り手術で行っています。
Q 日帰り手術に伴うリスクはあるのでしょうか?
A 日帰りと入院、それぞれで行う硝子体手術に伴うリスクに大きな差はないでしょう。
Q 日帰り手術が可能とのことなのですが、手術後一人で3時間半ぐらい電車に乗って、家まで帰ることができるでしょうか?
A 不可能ではありませんが、体力的にハードでしょう。翌日・翌々日は診察を受けていただきたいので、当院近くのホテルに宿泊されることをお勧めします。ホテルプラムコスモY、ベイシェラトンホテル、ホテルキャメロットジャパンなどが近いホテルです。
Q 術前の注意点は何ですか?
A 術前は3日間しっかり抗生物質の点眼をすることが重要です(緊急手術の場合は点眼ができませんのでこの限りではありませんが)。
Q 手術当日、家族などの付き添いが必要でしょうか?
A 付き添いの方がおられれば安心ですが、おられなくても大きな問題はないでしょう。付き添いなしで手術を受けに来る方も多くいらっしゃいます。
Q 鄭先生の行われる手術は独自の手法ですか、また他医との違いはございますか?
A 執刀医により若干の違いはありますが、根本的には同じ手法です。25ゲージ硝子体手術という術式です。
Q 手術に要する時間の事ですがどのくらいかかりますか?
A 単純な硝子体手術のみを行う場合は、25分〜40分の手術時間を想定しています。白内障手術を同時に行う場合はプラス10〜15分となります。複雑な硝子体手術の場合は、1時間半〜2時間の時間を要する場合もあります。
Q 費用はいくらくらい必要ですか?
A 単純な硝子体手術の場合、手術代が、1割負担で4万円前後、3割負担で12万円前後、複雑な硝子体手術の場合、手術代が、1割負担で5万円強、3割負担で15万円強必要です。白内障手術を同時に行うと、プラス1割負担で6千円、3割負担で2万円となります。お薬代が別途、5千円〜1万円必要です。
Q 麻酔はどんな方法なのでしょうか。
A 局所麻酔です。麻酔薬を準備段階で点眼し、手術開始時にテノン嚢注射で投与します。手術中麻酔が切れてきた場合は、注射で追加します。
Q 手術のリスクにはどんなものがありますか?起こった場合、どのように対処されるのでしょうか?
A硝子体手術の合併症として、眼内炎・駆逐性出血・増殖硝子体網膜症、一過性高眼圧症、一過性低眼圧症、硝子体出血、網膜裂孔、網膜剥離、黄斑円孔、などがあります。
眼内炎・駆逐性出血・増殖硝子体網膜症、網膜剥離、黄斑円孔などに対しては再度硝子体手術を行う必要があります。一過性高眼圧症に対しては、点眼・内服などの投薬治療、一過性低眼圧症に対しては眼帯・創口の縫合、網膜裂孔に対してはレーザー治療、硝子体出血に対しては1〜2週間の経過観察にて吸収されない場合洗浄を行います。
Q 硝子体手術後に網膜剥離を起こす可能性はどれくらいですか?
A 報告されている確率にはばらつきがあります。元々の病気にもよりますが、起こる確率はそんなに高くはないでしょう。
Q 硝子体を除去することによる支障には何がありますか?
A 硝子体は幼少時には衝撃を吸収しているとも考えられていますが、どんな働きをしているかのすべてはまだわかっていません。現状では、取り除いても大きな支障はないと考えられています。
Q できれば手術を早い時期にしたいのですが可能でしょうか?
A 定期硝子体手術は月1〜2回月曜日に行っております。急いだ方がいい、どうしてもお急ぎの事情がございましたら、臨時手術を検討させていただきますので、遠慮なくご相談ください。
Q 仕事をしておりますので、休暇は最小限にしたいが可能でしょうか?
A 標準的には、月曜日に手術、外来受診は火曜日・水曜日・金曜日か土曜日・翌週火曜日受診、その後は経過に応じて受診間隔を開けていくという予定です。お仕事の内容にもよりますが、手術後3日目くらいから仕事復帰される患者さんがおられます。目の中に空気を入れた場合は、約1週間は安静にされたほうがいいでしょう
Q 横浜相鉄ビル眼科医院で手術を受けたいのですが、遠くて行けません。適当な病院を紹介頂けませんでしょうか?
A 自分たちは、この病院でだめなら世界中どこに行ってもだめだと思っていただけるような最高の手術を施行することだけに全エネルギーを集中させておりますので、紹介を得意な仕事としておりません。もちろん近隣にも手術の上手な先生はたくさんいらっしゃると思うのですが。たいへん申し訳ございませんが、ご理解をお願いいたします。
Q 病院に入院するのと比較して、日帰りだと感染が不安ですが・・・
A みなさんは、院内感染という言葉をご存知かと思います。
私達は、細菌レベルでは、入院病棟は外界や自宅より清潔度が低いと考えています。
これは入院病棟をもつ病院を非難しているわけではありません。入院病棟を維持するというのはものすごく大変な事で、先生方、看護師さん、職員さんは普段から院内感染撲滅のために、商売抜きのたいへんな努力をなさっております。私は入院病棟を持つ病院とそこのスタッフさんをたいへん尊敬しております。
しかし、いくら努力しても院内感染は撲滅しようがないんです。病院はもともと細菌感染で重症になった細菌の塊のような人が入れ替わり立ち代わり入ってくるところですから。眼科病棟も例外ではありません。
なので、感染に関しては、入院が有利とは考えません。少なくとも、長年日帰り白内障手術、硝子体手術をやってきて、日帰りだと入院より感染がよく起こるという印象は全くありません。
これが私達の考えです。
よくある質問:手術時に入れるガスについて
Q 目の中に気体を入れることがあると聞きましたが、目的は何ですか?また入れた場合にしてはいけないことはありますか?
A 目の中に気体を入れる(ガス置換する)のは、網膜のしわを伸ばす、網膜裂孔を閉鎖させる、網膜復位を得る、黄斑円孔を閉鎖させる、などを目的としています。ガス置換した場合、仰向けで寝てはいけない(うつ伏せやうつむき、横向きで過ごしていただきます)、飛行機に乗れない、などの制限があります。気圧の関係で眼圧が上昇するために、ガスが残存している約10〜14日間は飛行機には乗れません。
Q どんな病気で硝子体手術後に目の中に気体を入れるのですか?
A 網膜剥離・・・100%、黄斑円孔・・・100%、黄斑上膜・・・約30%、糖尿病網膜症・・・約30%、他・・・30%よりは低いですが、すべての疾患で入る可能性があります。
Q 硝子体手術を受けてから9日経ちました。術中に気体を入れたのですが、昨日小さかった眼の中に見える気体は今朝から消えて見えなくなりました。そのかわり数日前から気になっているのは左目だけにやたら見える黒い小さなものです。右目でも見えているのかもしれないのですが右目は全然気になりません。飛蚊症かなと思うのですが。あと左目だけで見ると真ん中あたりがややぼやけて見える感じがします。白目のところにある血液はだいぶ減ってきました。
相変わらず上を向かない仰向けにならないようにしています。洗髪のときは水泳用のゴーグルを使用しています。車の運転をするのは診察していただいてからがいいでしょうか?外を歩く時はサングラスをかけたほうがいいでしょうか?
A 目の中のガスは消失したようですので、仰向けになっていただいて構わないです。黒い小さなものは、炎症細胞や目の中の濁りのようなもので、時間と共に薄くなっていくと考えられます。真ん中のぼやけも時間と共にましになることが期待できます。洗髪時のゴーグルはもう止めてもいいでしょう。
車の運転は、徐々に再開していただいても構わないでしょう。外出するとき、眩しければ、サングラスで保護してください。
よくある質問:白内障同時手術について
Q 硝子体手術と白内障手術を同時に行うことを勧められましたが、白内障がないのになぜですか?
A 硝子体手術を行う50歳以上の方には、白内障がなくても同時手術を行うのが標準的です。理由は、50歳以上の方に対して硝子体手術を行った場合、白内障が進行する速度が速くなることが多いからです。ただし、60歳未満で白内障手術を同時に行わないことを希望される方には、メリット・デメリットを説明した上で、強く希望された場合や、近視の度数が強いために白内障手術を行うと左右でアンバランスになる場合などには白内障手術を同時に行わないこともあります。
Q 水晶体再建術(白内障手術)を硝子体手術と同時に施行するメリットは何ですか?
A 同時施行の場合、切除できる硝子体量が多く、術前術後の飛蚊症、眼内炎リスクを軽減できます。また、網膜裂孔・黄斑円孔ができて空気置換した場合でも、楽な姿勢を取ることが可能になります。(水晶体を温存した場合は、空気が入っている約10日間、かなり厳格にうつ伏せ・俯き姿勢を維持できないとガス白内障になりますので)水晶体再建術をより安全に施行できます。(50歳以上の方に対する硝子体手術後、核硬化白内障が急速に進行する可能性が高く、硝子体がない状態での水晶体再建術は核落下の危険性が高くなります)硝子体手術により水晶体を損傷することがありません。屈折矯正術としての効果が期待でき、近視が軽くなります。
Q 水晶体再建術(白内障手術)を硝子体手術と同時に施行するデメリットは何ですか?
A 水晶体再建術を施行するとほぼ完全な老眼状態になります。また、短期的には、左右眼で明るさや色の見え方に違いがでます。
Q 白内障の手術も同時に行うとのことですが、度数の設定などはどのようになるのでしょうか?左右の視力が極端に違うのですが・・・
A 視力よりも屈折を基準に考えて眼内レンズの度数を選択することになります。屈折とは、目がどれくらい近視なのか遠視なのか、ということを意味します。
Q 「多焦点眼内レンズ」を入れられるでしょうか?できれば多焦点を使用したいと思うのですが。
A 残念ながら、白内障以外の眼疾患を有する場合、多焦点レンズの適応にはなりません。また、多焦点レンズは保険適応がなく、硝子体手術と同時に行うこともできません。
Q 白内障の手術により調節能力(ピント合わせ)が失われることによる支障はありますか?
A ほぼ完全に老眼状態になりますので、遠くか中間か近くかのどこか一点には焦点が合いますが、それ以外の場所にピントを合わせるためには眼鏡が必要になります。
よくある質問:術後の事について
Q 術後の注意点は何ですか?
A
術後にいったん落ち着いていた状態であったにもかかわらず、激しい痛み・霧視感・強い充血が出てきた事を自覚されたら直ぐに連絡してください。最も重い合併症である眼内炎を早期発見することが目的です。また、術後最低3カ月は激しい運動を避けることが大切です。
Q 手術後の通院はどの程度の間隔でおこなうのでしょうか?
A 日帰り硝子体手術は月1〜2回の月曜日に日を決めて行っています。その後の診察予定は、手術翌日の火曜日・手術翌々日の水曜日、手術後の経過に応じてその週の週末または1週間後、それ以降は希望に応じて徐々に間隔を開けて横浜に通院されるか地元での診察かを選んでいただくことになります。
Q パソコン等を使った事務仕事は手術後どのくらいたてばできるようになるのでしょうか?
A 目の中に空気かガスを入れて手術を終了する場合は、うつ伏せやうつむきの姿勢が約10日間必要になります。運転もデスクワークも空気かガスが入らない場合は直ぐに可能ですが、入った場合約1週間前後は制限されることがあります。
Q 手術後何日ぐらいで、車の運転をしても大丈夫になるのでしょうか?
A 手術後数日で眼帯を外すことは可能でしょう。運転がお仕事で必要な方は、手術翌日から運転される方もおられますが、感覚をつかみながら少しずつ慣れられた方が安全です。一応、手術後1週間くらいを目処にされてはいかがでしょうか。
Q 普通の生活はいつ頃からできますか?
A 手術後約1週間で日常生活に関してはほとんど制限がなくなります。空気が眼の中に入った場合は約2週間です。
Q 手術後の後遺症(たとえば痛みが残る、眼に異物感が残る、など)はありますか?
A 目の表面はたいへん敏感です。しかも、硝子体手術は大手術です。傷口が完全に落ち着くまでには少なくとも2〜3ヶ月、長い人で6カ月ぐらい掛かりますので、その間、異物感が残ることがある事をご了解いただければ幸いです。永久に異物感が残ったという方は今まではいらっしゃらないです。
Q 眼鏡の調整時期ですが、いつごろがいいのでしょうか?
A 眼鏡作成は、手術後3ヶ月経過して、度数の変動がなければ、可能となります。お急ぎで、例えば手術後1週間で暫定的に作成される方もおられますが、度数が変わって使えなくなったらみなさんのお金がもったいないので、不自由でなければ、しばらく待たれることをお勧めします。
Q 手術後どれくらいの期間、眼を使わない方がいいのでしょうか?HPではすぐ仕事にもどられた患者さんのことが載っていましたが、細かい字などはどうでしょうか?2週間くらいでしょうか?
A 眼の中に空気を入れなくてもいい状況(網膜裂孔、黄斑円孔、網膜剥離ができなかった場合)であれば手術後約1週間で仕事復帰は可能でしょう。眼の中に空気を入れた場合でも違和感はあるでしょうが2週間も眼を使ってはいけないということはないでしょう。
疾患別よくある質問:硝子体出血
Q 昨年末に日帰り硝子体手術を受けました。経過がきわめて順調で出血もなく平和な日々を送っていましたが、昨日出血した模様で少し薄い膜がかかったような状態になっています。まもなく術後3か月を迎えるところまできていますが、この段階での出血はどのように受け止めたらいいのでしょうか?
取り急ぎレーザー等の処置が必要なのか、もしくはしばらく放置するのがよいのか、どうすることがベストでしょうか?
A 増殖糖尿病網膜症に対する硝子体手術後に硝子体再出血を起こす原因として、新生血管が残存している、新しくできた可能性があります。レーザー追加を行った方がいい可能性が高いでしょう。薄い膜がかかった感じ、ということは現在の出血量は少量であると考えられますが、更に出血しなければ近い将来吸収されますから、レーザー追加を検討しましょう。
疾患別よくある質問:糖尿病網膜症・黄斑症
Q 硝子体の出血は自然に引く場合があり、長くて6ヶ月位かかる、と何かで見たのですが、自然に引くのを待つとしたらどのくらいの時間待てる(放置できる?)ものなのでしょうか?
A 増殖糖尿病網膜症による硝子体出血の自然吸収を待つことが可能な期間を一概に決めることはできません。待つことができるのは、網膜剥離がない、出血を繰り返さない、視覚障害をあまり不自由に感じない、視神経障害の危険性が低い、などの場合でしょう。どのようなタイミングで硝子体手術に踏み切るのかは、患者さんのご希望と手術する医師の方針によって決まると思います。増殖糖尿病網膜症による硝子体出血は出血が吸収しても原因である増殖糖尿病網膜症がレーザーの追加により沈静化しない限りは再発を繰り返す危険性が高いので(出血や混濁のためにレーザーの追加は容易ではありません)、私の方針は、1ヶ月以上吸収されない出血、繰り返す出血に対しては硝子体手術を行い直接レーザーの追加を行います。
Q 手術には全身状態がよくないとならない、とお聞きしたのですが全身にはどのくらいの負担なのでしょうか?
A 硝子体手術による全身への影響はあまり大きくはありませんが、糖尿病コントロールをはじめとする全身状態が手術結果に影響を及ぼす可能性は高い、と考えます。
Q 眼科病院で診察を受け「糖尿病網膜症」との診断で、結果レーザー治療を受ける事となりレーザー施術を受け、約2週間経過いたしましたが、視力(中央部が黒くなり物が見にくい)が良くなりません。(元の正常な状態には戻らないと思いますが)両眼を治療しましたが、今の病院では今後、治療を続けるには少し不安が有りますので、どの先生(医師)を頼れば良いのか迷っています。
A 糖尿病網膜症に対するレーザー治療後に、炎症のため黄斑浮腫が起きて視力低下をきたすことがあります。投薬が無効の場合、硝子体手術にての軽快が期待できますので、一度ご来院ください。
Q 2ヶ月に1回の間隔で右眼の出血を繰り返しており、このままでは、年に数回の硝子体手術をこの先ずっと受け続けないといけないのかと考えると非常に不安です。実際に検査や診断を受けなければアドバイスのいただけないとは存じますが、このような状態でも診断していただけるのでしょうか?実は、別の硝子体・網膜を専門に行われている先生にもセカンドオピニオンをお願いした際に、「すでに硝子体手術・白内障手術を済ませていて、快復どころか眼底出血を繰り返すのなら、大学病院にいってください」と門前払いされています。
A 硝子体手術を限りなく受け続けることは、可能性がかなり低いですし、そもそも無理だと考えられます。相鉄ビル眼科には全国から再手術を要する患者さんが数多く来院されていますので、安心して受診してください。
Q 半年前から様子を見て血が引くのを待っていますが問題ないでしょうか。網膜剥離は起こっていないと思われます。(光がとぎれて見える部分はないです)
A 半年前からの繰り返す硝子体出血なので、出血がある程度吸収されても、硝子体混濁のためにレーザーを十分に施行することは困難である可能性が高く、レーザーが不十分であると再度出血する確率が高いでしょう。現在は超音波検査にて網膜剥離が起こっていないとのことですが、レーザーを施行できずに虚血の状態が長引くと新生血管が成長して牽引性の網膜剥離に進展するか、血管新生緑内障になる可能性もありますので、硝子体手術を施行し、出血の除去およびレーザー施行を同時に行うことが望ましいでしょう。
疾患別よくある質問:黄斑上膜・黄斑前膜・網膜上膜・網膜前膜(すべて呼び方が違うだけで同じ疾患です)
Q 会社の定期健康診断で眼底検査の結果、2年連続で「右眼黄斑前膜の疑い」(要精密検査)と指摘されました。現在、メガネを掛けており、矯正視力で0.8くらいです。(右眼のみメガネの度が合わなくなっていますから病気が原因なのでしょうか?)歪んで見えるなどの症状は今のところありません。この病気について色々調べましたが、手術が必要となった場合、手術の巧拙が術後の経過を大きく左右すると。まずは精密検査を受けようと思いますが、どのような眼科に行けば良いか判りません。適当な病院を紹介頂けませんでしょうか?
A 以前は矯正視力が1.0以上であった、左眼の矯正視力は1.0であるのであれば、たしかに黄斑前膜が視力低下の原因になっている可能性が高いですが、右眼視力低下の原因をしっかり検索する必要があるでしょう。黄斑前膜を診断するため、また黄斑前膜の原因を検索するためには、眼底検査とOCT検査(網膜の断層撮影)を施行された方がいいと考えます。近くの眼科を受診されるのであれば、網膜専門医がいてOCT検査を行える施設を選択されることをお勧めします。
自分たちは、この病院でだめなら世界中どこに行ってもだめだと思っていただけるような最高の手術を施行することだけに全エネルギーを集中させておりますので、紹介を得意な仕事としておりません。もちろん近隣にも手術の上手な先生はたくさんいらっしゃると思うのですが。たいへん申し訳ございませんが、ご理解をお願いいたします。
Q 母が黄斑上膜と診断されていて、でも手術は失明してからでないと出来ないとおっしゃられているみたいなのですが(2・3ヶ所の病院でです)もう今視力も(片目)0.3ぐらいにまで落ちてきてだいぶものが歪んで見える?と嘆いております。これは本当にもう失明してからでないと、手術はできないのでしょうか?
A 失明してからする手術はほとんどありませんので、コミュニケーションに関して何か問題が発生しているのではないでしょうか。視力低下の自覚・歪みの自覚、などがある場合に、黄斑上膜に対して硝子体手術を行うことを検討しますので。
Q 過去に硝子体手術を行っている場合(特に血管との癒着している可能性がある場合)、網膜上膜の手術は避けたほうがいいでしょうか?
A 10年前に網膜剥離に対するバックリングや硝子体手術を受けておられるので、網膜上膜と血管との癒着よりも、網膜上膜と黄斑部(中心窩)との癒着が強度である可能性が高いと考えます。癒着が強度である場合の問題点には大きく分けて二つあります。一つ目は、網膜上膜を剥離する過程で黄斑円孔ができる可能性が高いこと。二つ目は、視力の回復・症状の軽快に時間が掛かる、回復・軽快度合いに限界がある場合があることです。ただし、黄斑円孔ができた場合はガス置換(剥離手術の際に経験されていると思いますが、手術終了時に目の中に気体を入れて円孔閉鎖を目指します)することにより、95%以上の確率で治癒します。放置しても自然軽快する可能性は低いので、手術を受けられて改善する可能性に挑戦する価値は十分にあるでしょう。
Q 黄斑前膜という病気の治療はネットで調べたところ視力が0.5ぐらいになったころに手術をするのがいいらしいということを知りましたが、手術のタイミングは視力が低下してからですか?
A 視力のいい段階で(早期に)手術を行えば、いい視力・歪みの改善が期待できますので、当院では視力が1.0でも患者さんが歪みなどを自覚され、リスクを納得の上で手術を希望されれば手術を行っています。0.5でもお困りでなければ、そのまま経過観察することもあります。一概に視力がいくらで手術を行うのが妥当、ということはないでしょう。
Q 黄斑前膜の手術は難しいのでしょうか?
A 硝子体手術という方法で手術を行います。簡単ではありませんが、硝子体手術の中では難易度はそんなに高くないでしょう。(大高注:鄭先生にとってはそうなんでしょうか。普通の眼科医にとってはマジで難易度高いです・・・)
Q 横浜相鉄ビル眼科医院では、この手術は何例ぐらいありますか?
A 当院では一月に10例前後、黄斑上膜に対する硝子体手術を施行させていただいております。
Q よく見かける「うつぶせで」の必要はありますか?
A うつ伏せになるかどうかは、黄斑円孔、網膜裂孔、網膜剥離が手術中に発生もしくは発見されるかどうかによります。黄斑上膜は網膜(特に黄斑部)に強く癒着していることがあり、膜を剥がす際に上記が発生する可能性があります。また、黄斑上膜が出来る体質の方は硝子体に何らかの異常があるわけで、もともと通常の眼底検査では見つからないような周辺部に硝子体の変性に伴う網膜裂孔や網膜剥離があることも多いので、うつ伏せが必要になる可能性があります。
必要になった場合には、日帰り手術でも、ご自宅でうつ伏せ・うつむきになっていただいています。
Q 以前、受診した病院で、網膜に孔が開いているとのことでレーザー治療を受けております。その網膜の孔が黄班前膜の原因の一つではないかと言われました。もし、そうだとすると今回手術を受けても、孔を塞ぐことができないのであれば、再び黄班前膜の症状が出るということでしょうか?
A 網膜裂孔が黄斑前膜の原因である可能性が高いと考えますが、硝子体手術後に前膜が再発する可能性は低いでしょう。
Q 手術時に黄斑円孔になった時は再手術が必要ですか、それとも、同時に手術を行いますか?
A 黄斑円孔になった場合は同時に処理します。処理方法は内境界膜除去術と液空気置換術です。
Q 手術の予約をする予定ですが、黄斑上膜の手術をすると「術後早期に視力が大幅に低下し、場合によってはほとんど何も見えなくなることがあります」といただいた説明書に書いてありましたが、どのような場合でしょうか?
A 気体を入れた場合、屈折力の関係で、光が網膜に結像しないので、術後早期に視力が低下しますが、気体が吸収されると視力は回復します。
Q 術後に今より視力が上がらない場合もあるか、見えなくなることはありますか?
A 視力はほとんどの患者さんで改善しますが、黄斑上膜ができてから長期間が経過されている方は改善に時間を要する可能性が高くなります。ゆがみの軽減に関しては、視力改善よりもさらに時間が掛かります。
見えなくなる可能性もゼロではありません。起こる危険性は低いですが、眼内炎・駆逐性出血・増殖硝子体網膜症などの重篤な合併症が起こってしまった場合に、視力が低下する可能性があります。
Q パソコン等を使った事務仕事は手術後どのくらいたてばできるようになるのでしょうか?
A 黄斑上膜を剥がす際に網膜裂孔や黄斑円孔ができることがあり、そのままにしておくと新たな病気を発症する危険性がありますので、目の中に空気かガスを入れて手術を終了することになります。その場合は、うつ伏せや俯きの姿勢が約10日間必要になります。運転もデスクワークも空気かガスが入らない場合は直ぐに可能ですが、入った場合約1週間前後は制限されることがあります。
疾患別よくある質問:黄斑円孔
Q 先日右目に異常を感じ近くの眼科で診てもらったら、黄斑円孔で近いうちに手術を勧められました。術後一週間はうつ伏せ状態と聞かされ、考えただけで耐えられそうにありません。探していたら最先端技術で先生の名前がありましたので色々読みましたが、手術翌日保護用メガネで家に帰れるようなので終日うつ伏せにならなくてもよいのでしょうか?
A 黄斑円孔に対して硝子体手術を行った後に約3日間うつ伏せ&うつむきをがんばれると円孔の閉鎖率が格段によくなることがわかっています。発表によっては、手術後1日間のうつ伏せで閉鎖する、というものもありますが、元々の黄斑円孔が初期のものであれば、それも可能でしょう。また、円孔が古く・大きい場合は可能な限り1週間うつ伏せをした方がいい場合もあります。診察をしてみないとどれくらいのうつ伏せ期間が妥当であるのか断言することはできませんが、全身状態が許すならば、ずっとではなくてもうつ伏せできるだけうつ伏せした方が円孔閉鎖には有利です。
Q 視力回復は円孔が起こってからの経過期間に反比例するそうですが、できるだけ早期に手術すべきでしょうか?
A 起こってから数ヶ月以内であれば、1〜2ヶ月の手術時期の差は誤差範囲内でしょう。早いに越したことはありませんが。
Q 視力が0.1程度まで低下してから手術を受けても効果は期待できないでしょうか?
A 黄斑円孔になれば視力が0.1まで低下することは稀ではありません。視力が0.1でも十分視力回復する可能性が期待できしょう。
Q 黄斑前膜に黄斑円孔が合併していると診断されましたが、私の眼の手術は、黄斑円孔を塞ぐだけではなく、「黄斑前膜」や「内境界膜」を剥がすことになるのでしょうか?
A 黄斑円孔を閉鎖させるために、黄斑前膜、内境界膜を剥がすことになります。
Q 最近物が歪んで見えたため、近くの眼科いかかりました。「黄斑円孔」との診断をされました。私の場合、近視があまりにも強く、手術するのはリスクが高いので、しばらくこのまま様子をみましょうと言うことになりましたが、それで大丈夫でしょうか?
A 強度近視である眼に対する手術は駆逐性出血が起こるリスクが若干高いと言われていますが、いずれにしても頻度はかなり低いでしょう。若年性・外傷性の黄斑円孔は自然閉鎖することが期待できますが、それ以外の黄斑円孔ではあまり期待できません。また強度近視に黄斑円孔が合併すると黄斑円孔網膜剥離という難治性の網膜剥離に進展することが危惧されます。診察しない段階で断言はできませんが、基本的には積極的な治療(硝子体手術)を受けられることをお勧めします。
疾患別よくある質問:網膜静脈分枝閉塞症
Q 昨年の11月に(右)網膜中心静脈分枝閉塞症と診断され、レーザー治療を受けたのですが、その後硝子体出血をおこし、かなり視界が悪く見えづらい状態で、アドナを処方され自然吸収を待っている今現在です。が、主治医から手術をする場合2週間の入院と言われましたが、今現在、透析を週3回うけていまして、うつぶせ寝の状態で透析をするのは、かなり困難なので、鄭先生にみて頂き可能であれば手術をうけたくメールしました。可能であれば、すぐにでもお伺いしたいのですが、可能でしょうか?
A 当院では透析を受けておられる方に対しましても硝子体手術を日帰りで行っております。ただし、どんな病気の方でも、硝子体手術を行うと眼の中に空気が入る可能性がありますので、入った場合は仰向け以外の姿勢、例えば横向きやベッドを起こした状態にしていただく必要が生じることがあります。どうしても仰向けの姿勢にしかなれない場合にはシリコンオイルを入れるという選択肢もありますので、一度診察をお受けください。
質問のある方は、以下の鄭医師のアドレスにメールを下さい。できる範囲でお答えしております。
mtei@y2.dion.ne.jp
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