横浜相鉄ビル眼科医院 糖尿病網膜症(とうにょうびょうもうまくしょう)の痛みの少ないレーザー治療、硝子体手術(しょうしたいしゅじゅつ)
糖尿病網膜症の治療はレーザー治療、手術とも、多数手がけております。糖尿病網膜症の治療でお困りの患者さんが多数いらっしゃることと思います。そういう患者さんへの助けになれば、と思います。レーザーの打ち方がポイントです。レーザーは痛いとおっしゃる患者さんが多いですが、当院では治療方法を工夫して、痛みの少ない治療を可能にしています。
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●糖尿病網膜症とは
糖尿病網膜症とは、糖尿病によって、網膜に異常を生じた状態です。眼底出血、といわれるものの一部は糖尿病網膜症です。
糖尿病網膜症とは、糖尿病で血管の状態が悪くなることにより、網膜(カメラでいうと、フィルムにあたる部分)にいろんな問題が出てくる状態です。
糖尿病網膜症は3段階に分かれます。
●1 単純糖尿病網膜症・・・点状やしみじょうの網膜内出血、黄色い斑点のみが見られる状態です。
血管の構造ががところどころ悪くなって、血管外に血や、血の成分の一部である黄色いもの(血漿成分、けっしょうせいぶんと読みます)が出てくる。
●2 前増殖糖尿病網膜症・・・網膜血管の形状の変化や、網膜に白いむくみが出てくる状態です。
血管が細くなったり一部が太くなったりと変形してくる。血管が悪くなるので血流が極端に低下し、その部分の老廃物を除去できなくなって、老廃物がたまり、それにつられて水分がたまると網膜が白く見える。こういう変化が網膜のいろんなところで起こってくる。
●3 増殖糖尿病網膜症・・・網膜上のべたっとした出血である網膜前出血が出たり、硝子体出血が出たり、網膜上や硝子体内に新生血管や増殖膜ができたりしている状態です。
前増殖糖尿病網膜症が進行すると、網膜血管がどんどん悪くなって、ついには血管の閉塞がところどころで起こってしまいます。そうなると、血流のなくなった部分網膜が、酸素や栄養分の供給を受けるためになんとか血流を確保しようとして、新しい血管を作ります(新生血管)。
こう言うと良さそうに聞こえるのですが、新生血管は急作りの血管のために、構造がしっかりしていないために、すぐにつぶれて出血を起こしたり(網膜前出血、硝子体出血)、すごくたくさん生えて、しかも新生血管から染み出した血管内成分と一緒になって膜状になって(増殖膜)網膜を覆ったりしている状態です。
増殖膜はそれ自体は視力に大きく影響しないのですが、あろうことか網膜にへばりついてから収縮して網膜をひっぱりあげてはがしますので、とんでもなくたちが悪いものなのです。
●番外 糖尿病性黄斑浮腫
1,2,3の段階に関係なく発生するものに糖尿病性黄斑浮腫があります。
もちろん1よりも2、2よりも3の段階で起こりやすいことは当然ですが、1のごく初期に起こる人もいるので悩ましいです。
黄斑とは、網膜中心部、すなわち、いちばん大事なところです。
黄斑部の毛細血管が糖尿病で悪くなる→毛細血管から血液の水分が漏れる→黄斑部に水がたまる、というわけです。
なぜここだけ?と思ってしまうぐらい黄斑部だけにたくさんの水がたまります。やはり一番使っているところなので、血管がいたみやすいのでしょうか。
水がたまると網膜がふくれてじくじくするために機能が落ちて、視力が低下します。これが発生するとしつこく治らないし、視力低下に直結するので、医者泣かせです。
●糖尿病網膜症の治療方針は
1の場合は、糖尿病が良くなると目も自然によくなる場合がありますので、経過観察のみ。
2の場合は、悪化傾向がなければ様子見もありですが、悪化傾向があるようならば全体のレーザー治療(凡網膜光凝固)。
3の場合は、全体のレーザー治療(凡網膜光凝固)が必須。それでも悪化が止められない場合が多々ありますので、その時は手術。
番外の糖尿病性黄斑浮腫が発生したら、漏れているところが少数で特定できるなら局所的なレーザー治療も可能ですが、難しい場合が多いです。ですが、アバスチンの注射という方法が最新の治療法です。
となります。
●糖尿病網膜症のレーザー治療とは。
繰り返しになりますが、前増殖糖尿病網膜症になると、血管が老廃物を除去できなくなって、たまった老廃物につられる形で水もたまって網膜にむくみが生じて見づらくなります。また、増殖糖尿病網膜症になると、血管が栄養分や酸素をうまく供給できないので、それを補おうとして新しい血管(新生血管)を作ると、その血管は急作りの血管なので構造がすごく弱いため、すぐに破れて網膜や眼内腔(硝子体)に大出血を起こしたり悪い増殖膜に進行したりします。
これらすべては血管が悪くなるからなので、根本的な治療は血管の状態を良くするしかないのですが、糖尿病の状態が良くないともちろん血管は良くなりませんし、糖尿病の状態が良くなっても、残念ながら血管は今まで糖尿病が悪かった分を蓄積しているようで、どんどん悪くなることも多々あります。また、ある程度形状変化を起こしてしまった血管はもうどうやってももとには戻りません。残念ながら血管の状態を良くする特効薬もありません。
なので、
●汎網膜光凝固術(光凝固とはレーザーの和訳)・・・網膜の、普段あまり使っていない部分をレーザーで焼いて(網膜の間引き)、網膜の酸素や栄養分の要求量を減らしたり、老廃物の発生を減らすことにより、悪くなった血流量とのバランスをとって、網膜の悪化を止めたり、うまく行けば改善することを目指す。
●局所のレーザー治療・・・特に黄斑浮腫を食い止めるため、悪くなっている血管を焼いてつぶす
の2種類のレーザー治療を駆使して、なんとか進行を抑えるようにします。
レーザー治療は大変良い治療法なのですが、レーザー治療はあくまで網膜の間引きや網膜と血管を焼く事によって環境を改善しているだけであり、悪化を止められない場合もあるということをご了解下さい。
れは私の印象ですが、全身状態から2,3年ぐらい遅れて目に来ますので、レーザー治療をして、かつ全身状態が改善しても、しばらく網膜症が悪化することが多々あります。これが糖尿病の怖いところですね。
しかし、将来手術になるとしても、レーザー治療をやってあるほうが格段に手術がやりやすいので、そのためにも役に立ちます。医師の推奨があれば、必ず受けられることをお勧めします。
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上の写真は、局所のレーザー治療がうまくいっている例です。
この症例は一般的なレーザーによる網膜の間引きに加えて、血管の悪い部分をピンポイントでやっつけて染み出しを押さえている、特殊パターンのレーザーを組み合わせています。この症例のようにたまたま1箇所ひどいところがある症例ではこのテクニックが使えます。
左の写真はレーザー治療前です。矢印内部に黄色いしみが見えるでしょう。血管が悪くなって、そこから血漿成分がしみ出て来た物です。これがたまってくると、視力が低下して、もとにもどらなくなってしまいます。特に、一番下の矢印が目の中心部で、ここの黄色い成分がが増えるともうだめです。
右はレーザー治療後です。黄色いしみの中心部にレーザーを打ち込んで、そこを焼くことにより、悪くなった血管をたたき、しみを消します。矢印の部分がレーザーで少し黒っぽくなっているのがおわかりいただけますでしょうか。
当院では、レーザー治療が必要と判断された場合、即日開始可能です。こうすることにより、少しでも早期治療で良好な結果を得て、かつ少しでも患者さんの通院回数を減らして喜んでいただくことができれば、と考えております。
レーザーでもうまく治療しきれない場合は手術となりますが、いかに手術に至らないようにレーザー治療をしていくか、が最大のポイントです。当院は全医師とも、数多くの経験に基づき、悪化のきざしを見極め、先手先手を打っていく治療をしており、患者さんから非常に高いご評価をいただいております。ある線を越えていない場合、ほとんどの症例で、レーザー治療のみで落ち着かすことができております。
●痛みの少ないレーザー治療とは・・・
糖尿病網膜症にレーザー治療をする場合、通常はとても強い痛みを伴います。従来はこれが最大とも問題だったのですが、当院では最新型のPASCAL(パスカル)というレーザーを導入し、痛みの少ない治療を可能としております。
左の写真中央の黒と銀の機械がそうです。当院に設置されている写真です。ちなみに奥のティッシュが置いてある機械は、少々ならば出血があっても治療が可能なマルチカラーレーザーです。右の写真はパスカルレーザーのカタログ写真です。
このレーザーなら痛みが無い! とうたっているような病院もあるようですが、さすがにそんなことはないです。やはり治療中、多少眼の奥が重い感じとかはあるようですが、従来の痛みと比べると格段の減少となりました。患者さんによってはぜんぜん痛く無かったよ、とおっしゃる方もいらっしゃるぐらいです。ほんとうにすばらしい治療が可能な時代になりました。今までのレーザー治療での痛みに参って途中で中断した方や治療を受けなかった方もぜひご相談ください。
●糖尿病網膜症の手術とは
先ほど申しましたとおり、レーザーで治療しきれない場合は硝子体手術となります。
硝子体手術というと、硝子体を取るだけの手術のように聞こえますが、そうではなくて、「硝子体腔に入ってやる手術」の総称です。糖尿病網膜症に対する硝子体手術の目的は、
1 硝子体を除去することにより増殖膜が硝子体内に生えてくる足場をなくす事、
2 増殖膜を除去し、網膜の牽引を解除すること
3 通常では打てない部分にも眼内から直接レーザーを追加することにより、網膜のバランスを改善すること
4 硝子体出血がある場合は、除去することにより視力を改善すること
5 牽引性網膜剥離がある場合は、増殖膜を除去して牽引を解除して、はがれた網膜をもとに戻すこと
などとなります。いわば、眼内の大掃除をするわけです。これは、眼球の手術の中で最も難しい手術です。
当院は、秋山医師と鄭医師と大高医師の3人が硝子体手術の指導医(指導医の免許、というのがあるわけではございませんが、医師に手術指導をするような医師を指導医と呼んでおります)ですので、磐石の体制であると自負しております。常に皆で情報交換し、他の人のよい部分を取り入れて、さらに向上できるよう努力しております。
大高は現在、他の手術を希望して来院してくださる患者さんがあまりに多く、レーザー治療までは自らやっていますが、硝子体手術は秋山先生と鄭先生に全面的に任せています。
硝子体手術は目への負担が大きく、入院手術が一般的ですし、当院でも可能な患者さんには入院手術をお勧めしております。入院をご希望の患者さんは秋山医師が常勤で勤める東京医療センターに紹介しております。術後は当院で秋山医師に診てもらえますし、秋山医師がいないときは他の医師がしっかり対応します。
だたし、お仕事の関係などで、どうしても入院ができないために、糖尿病網膜症、それに伴う眼底出血、硝子体出血、黄斑浮腫を放置して、どんどん悪化させている患者さんがたくさんいらっしゃいます。当院ではそういう患者さんを救えるよう、鄭医師の開発した目に負担の軽い手術方法を駆使し、糖尿病網膜症の日帰り硝子体手術に対応しております。
実際に硝子体手術をやってきた私大高から見て、どちらの先生も、技術は特Aレベルです。数多くの患者さんの目を手術で救ってくれています。
蛍光眼底造影検査(fluorescein angiography, 略してFAGないしはFA)について
当院では糖尿病網膜症の患者さんには、基本的にFAGは施行しておりません。
当院は、医師が自分なら受けたい検査を患者さんにやることにしています。
20年前、研修医時代、慶応病院で多数のFAGを施行していました。その読み方専門のカンファレンスがあったぐらいです。
そのカンファレンスで、先輩の先生がいろいろ教えてくださるのですが、で、どうするんですか?と聞いたら、結局検査を施行した人は100%レーザー治療になるんです。
「それやったら、検査にいったい何の意味があんの?」と自分は思っていました。
それでも、まぁ血液検査みたいに体に悪くない検査なら別にめくじらたてることもないです。ですが、この検査、ものすごく体に悪いんです・・・
造影剤のフルオレセインは黄色の蛍光ペンの色素そのものです。白衣についたら、白衣が見事な蛍光色になります。
みなさんは自分の子供が蛍光ペンをの先をなめたら大声で止めるでしょう。少なくともうちの嫁さんは間違いなく半狂乱状態でそうした上で、指をつっこんでげろを吐かすかもしれません(笑)。
蛍光ペンをなめるなんてかわいいもんです。なめるのと血管内注射は全く体に対するインパクトが違うことは容易に想像できるでしょう。しかも、2から5CCもです。最近はインクが中に見える蛍光ペンが多いですが、あれを1本分ぐらいをぶちゅ〜っと血管内注射するイメージでしょうか。蛍光色が濃すぎて赤く見えるので、実際は濃度がペンよりずっと高そうです。
実際、造影検査でたまに患者さんが死にそうになって、救急に運ばれます。気分が悪くなるぐらいは日常茶飯事です。言うまでも無く、これは体に悪いからでしょう。
日本で唯一使われている造影剤「フルオレサイイト」でネット検索してみてください。添付文書を読むと、これはほんとうに体に悪そうだとだれでもわかると思います。最初の項目が「警告」ですから・・・
しかも、禁忌のところに、「重篤な糖尿病の患者」とあるのですが、眼のレーザー治療が必要なほどの糖尿病の患者さんはみんな重篤ではないのか・・・
これらの記載は、日本アルコンさんの良心です。アルコンさんも、正直使ってほしくないと思っていると思います。
最近は断層写真など、20年前より格段に診断機器が進歩しましたので、FAGはさらに必要ないと考えています。
なんでこれを声を大にして言う先生が少ないか、といえば、FAGは今でも多くの医療機関でたくさんやられており、それはそれでそれなりの収入源となっているし、必要な投資も1000万円ぐらいと巨額なので、みんなうすうす思っていても、誰もいえないというわけです。
実際にメリットが全く無いわけではありません。より詳細に網膜の無血管野や悪い血管などが判別できますので。ですが、自分は「メリットがデメリットを上回っていない」と考えているわけです。
少なくとも、もし自分がそれなりに悪い糖尿病網膜症なら、網膜の写真を一目見て、「俺の目、あかんわ、レーザーばっちんばっちんに打って。FAGだけは勘弁してな」と眼科医に言います。眼科医はほとんどがこういうのではないでしょうか。
自分はたとえ多くの医療機関を敵にまわしても、患者さんにとって最適な医療をやることにしていますし、敵ができればできるほど、賛同してくれる医療機関も出てくるものです。なので、あえて言わせていただきました。
よくある質問です
Q 治療の費用はどれぐらいかかりますか? 生命保険で手術給付金が出るのですが、適応されますか?
A レーザーは目に過度の負担がかからないよう、複数回に分けてうちます。費用は3割負担で54300円、1割負担で18100円です。初回のみこの費用がかかり、2回目以降は診察料のみとなります。手術の場合は、3割負担で15万円程度を想定しておいてください。
レーザーの場合も手術の場合も、手術給付金の出る生命保険に入ってらっしゃる方は給付金が出る可能性がありますので、保険会社に相談してみてください。手術名は、「K276網膜光凝固術 2その他特殊なもの(一連につき)」です。出る場合には、生命保険会社指定の診断書を受付に出してください。
Q 以前他の病院でのレーザーでとても痛い思いをして中断してしまったのですが、なんとかならないでしょうか?
A 当院では最新型のPASCAL(パスカル)という痛みの非常に少ないレーザーを導入していますので、痛みの心配がほとんどなくなりました。安心して受診してください。
Q レーザー治療を受けたいのですが、忙しいのでできるだけ通院回数を減らすことはできませんでしょうか?
A 当院は初診日に即日治療開始が可能です。パスカルならば2回で両眼のレーザー治療を終わらすことができますよ。通常のレーザーより目への負担が少ない分、パスカルなら1回で終わらすことも可能とメーカーさんは言いますが、やはり1回では目に負担がかかるので、2回に分けたほうが良さそうです。ですが、今までは3〜4回にわけていましたので、患者さんの負担が減りました。
Q 他院でレーザー治療を受けたのですが、網膜前出血や硝子体出血が止まりません。なぜですか?
A それは新生血管からの出血です。レーザー治療は出血部を焼いて止めているのではありません。網膜の間引きでバランスを改善することにより、とうまくいけば徐々に新生血管が無くなっていき、出血もなくなるというわけです。なので、すぐには結果が出ないというわけです。
Q 横浜相鉄ビル眼科医院でレーザー治療を受けたいのですが、どの先生の外来に行けばよいですか?
A レーザー治療に関しては、どの先生でも大丈夫です。
Q レーザー治療の直後、物が紫に見えるのですが、大丈夫ですか?
A 大丈夫です。数時間で治ります。
Q 硝子体は手術で取ってしまっても大丈夫なのですか?
A 硝子体は大人になったらなんにも仕事をしていませんので、とってしまって大丈夫です。
Q じゃぁ取ってしまったところはどうなるのですか?
A 手術中はBSSという、眼内に存在するのに最適なように調整された液体で満たしておきます。それが自分の眼の中で生産した房水(ぼうすい)といれかわります。24時間もあれば完全に入れ替わるのではないでしょうか。どちらも透明なのではっきりはわかりませんが。
Q 他院では手術は2週間入院といわれました。横浜相鉄ビル眼科医院では日帰りで可能と言われました。なんでそんなに差があるのですか?
A 私大高も入院したことがあります。患者と医師、両方のの立場で考えるに、
1: さまざまな理由で歩けないので家に帰れない(足の手術を受けた、両目が見えない、お腹の手術でお腹がめちゃめちゃ痛い、全身麻酔のあとでメロメロだ、など)
2: 24時間観察して、何かあれば即座に対応する必要がある(いつ心筋梗塞が起こるかわからないとか)
このどちらかがあれば入院する必要があると考えます。片眼が見えない人が、もう一方の目を手術する場合は入院する必要があると考えますが、そうでなければ24時間先生がつきっきりでケアしてくれるわけでもないので、入院する必要はないと考えます。
それでは、なぜ他の病院では無条件で入院と言われるか? それは、昔から硝子体手術は入院するものだとその病院で決まっているだけで、患者さんの立場に立って、入院しなくてもできるのではないだろうかと考えていないからだと思います。
ですが、時間的金銭的に余裕がある方には、入院をお勧めします。日帰り硝子体手術に関しては別に詳しく述べておりますので、ぜひここをご覧ください。
以下は当院で鄭先生の日帰り硝子体手術を受けた、重症の糖尿病網膜症の患者さんの眼底写真です。
上の写真は右眼です。向かって左が術前、右が術後4日です。術前の黒い部分は網膜前出血、一部硝子体出血です。網膜表層全体に新生血管があるのがおわかりいただけますでしょうか。術後と比較すればよくわかると思います。術後にも存在している血管以外の血管がすべて新生血管です。
まだ術後早期なので、手術による炎症で出てくる細胞や出血などでややかすんでいますが、驚くほど綺麗になっているのがお分かりいただけるかと思います。すばらしい手術ですね。
上の写真は左眼です。向かって左が術前、右が術後30日です。術前は全体が超濃厚な網膜前出血と硝子体出血で覆われているために、網膜が全く見えないという、完全にわけのわからない状態です。手術の最初に出血を除去した後も、もちろん右眼と同様に新生血管の嵐なので、手術はとんでもない苦労の連続ですが、術後早期にとても綺麗になっているのがお分かりいただけるかと思います。こちらの眼もすばらしい手術ですね。
この患者さんは30台の会社員なのですが、入院で会社に大きな穴を開けることなく治療できたとたいへん喜んでもらっています。
もとは入院設備が無いけれども、多くの患者さんに手術治療をしてほしいと言われて始めた日帰り硝子体手術ですが、考えに考えて細部にわたりこだわり続けて進化させ、上の眼の若者のように、入院しづらい多くの患者さんに喜んでいただけるようになりました。
硝子体手術をやるのは、ものすごくしんどい思いをしてでも、眼科領域で最も重症例を扱うという気合いがあるということです。我々のチームは、硝子体手術をきっちりと施行するすべての先生方を尊敬しております。なので、他の先生方のやり方を否定するものではありません。硝子体手術はやはり入院で、という考えは100点満点と思います。
ですが、物理学や化学と違って、医学では正解はひとつではありません。
入院が続いて会社を解雇されそうになっている人もいます。そういう人は、我々のやり方が100点満点だと言ってくださいます。従来入院が必要と思われていた手術を持てる技術を駆使して日帰りで成し遂げています。将来、硝子体手術も白内障と同様、どんどん日帰りになっていくでしょう。それを先取りしています。
これが我々のチームのテクノロジーですと言わせてください。
いつでもご相談ください。
otaka@isao.com :大高医師メール mamorutei@gmail.com :鄭医師メール
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